全国銀行協会(会長・平野信行三菱東京UFJ銀行頭取)は、お金の他行向け振り込みを24時間・365日可能にする新システムを導入する方針を固めた。2018年にもサービスを始める。このシステムを使って振込時間をどこまで拡大するかは各行の判断に任せるが、大手行は夜間や土日を含めた大幅延長を検討しており、利用者の利便性が向上することになる。

国内の銀行や信用金庫は現在、全国銀行データ通信システム(全銀システム)を介して他行向け振り込みを処理している。稼働時間は平日午前8時半から午後3時半に限られ、これ以降に手続きをしても処理は原則、翌営業日回しになっていた。週末の金曜夕方以降に振り込み手続きをしても、相手口座に届くのは月曜になってしまい、急速に普及するインターネットショッピングの夜間の支払いや商品発送などで利用者から不満が出ていた。

こうした問題を解消するため、全銀協は全銀システムの稼働時間外の振り込み処理を担う新たな仕組みの構築に着手。すべての金融機関が参加する全銀システム稼働時間を「コアタイム」とし、それ以外の時間は新システムがカバーする体制を想定している。24時間サービスを提供する金融機関同士であれば、時間帯を気にすることなく相手の口座にただちにお金を振り込めるようになる。

関係者によると、新システムは大手以外にも多くの金融機関が利用を検討しており、18年以降、段階的に参加行を拡大していく。金融機関は対応するコストを抑えるため、窓口の営業時間は現行のままとし、現金自動受払機(ATM)やネット取引などにサービスを限定するケースが多いとみられる。利用には一定の手数料が必要となる見通し。

全銀協は12月の理事会で導入方針を決め、具体的なシステムの設計に入る方針だ。

2014/11/20 毎日新聞より

※先日、振込時間拡大のニュースを掲載しましたが、金融業界のグローバル化を受け、一気に24時間対応可能なシステム構築へ舵を切ったようです。