ミャンマーでの営業免許を申請していた日本のメガバンク、三菱東京UFJ銀行<8306>、三井住友銀行<8316>、みずほ銀行<8411>が、10月1日、免許を得たことが分かった。ミャンマーは2011年春に民主化が行われて以降、金融政策の転換を図り、外国の銀行にも市場を開放する方針を打ち出した。ミャンマー政府は営業免許を申請した25行の審査を実施。日本の3行を含む9行に許可を与えた。
免許の申請を行ったのは、タイが最多の4行で、日本、マレーシア、シンガポール、台湾、韓国がそれぞれ3行、中国、インド、フランス、オーストラリアも申請を行っていた。免許の審査基準は、ミャンマー銀行業界への貢献度によるとされており、各銀行が提案する内容を分析、比較するなどして選考が行われた。
許可が下りたのは邦銀3行の他、シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行とオーバーシー・チャイニーズ銀行、マレーシアのメイ銀行、タイのバンコク銀行、中国工商銀行、オーストラリア・ニュージーランド銀行とアジアがほとんどを占めた。
免許を申請した全ての銀行が営業許可を受けた日本の圧勝に、外国メディアからも注目が集まっている。英紙フィナンシャル・タイムズや米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「日本が最大の勝ち組になった」と報じ、中国メディアでも日本の銀行の動向を伝えた。
ミャンマー中央銀行のセッ・アウン副総裁は10月1日に首都ネピドーで記者会見し、ミャンマーの経済発展ために邦銀が期待に答えてくれるだろうと述べた。日本政府もミャンマーとの関係を重視しており、資金援助や技術提供を積極的に推し進めている。官民を上げての協力体制が築かれていたことが、邦銀への信頼を深める根拠となったようだ。支店の開設は2015年度を予定している。
ミャンマーに設置する支店では個人向けの金融サービスは認められていないが、現地に進出した企業などに対し融資や送金サービスを行うことができる。人件費が安く、近代化を目指し経済成長まっただ中のミャンマーは、日本企業にとっても魅力的な市場といえるだろう。
2017/10/21 財形新聞より