安倍晋三首相は31日昼、都内のホテルでら3メガ銀行の首脳と懇談した。関係者によると、首相サイドは「一般的な経済情勢についてのヒアリング」との趣旨で具体的な政策課題への言及はなかったとしているが、「消費税引き上げに向けた判断の地ならしと感じた」(メガ幹部)との見方が強い。

昼食をとりながらの懇談に出席したのは、三菱東京UFJ銀行の平野信行頭取、三井住友銀行の国部毅頭取、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長の3人。帝国ホテルのフランス料理店「レ セゾン」で開かれ、銀行側は事務方も入らなかった。

関係者によると、懇談は金融庁を通じてセットされ、首相側から足元の経済情勢について意見交換をしたいとの意向が伝達されたという。国債の大量保有者である銀行界は、もともと消費増税に対しては積極姿勢。政府の消費税引き上げ路線にも、早くから理解を示していた。

ただ、懇談では、首相から具体的に消費税率の引き上げ判断については、具体的な言及はなかったという。銀行界側は、融資先企業や市場の見通しを踏まえて、現状の景気認識について説明をしたもようだ。

出席した銀行のある幹部は「首相としては、幅広く民間から意見を聞くという姿勢を示したかったのではないか。引き上げにしろ、見送りにしろ、判断するための地ならしの一つではないか」と語った。

 

2014/10/31 ロイターより